Piece「In WonderLand トランプ兵」キットレビュー

Piece「In WonderLand トランプ兵」キットレビュー

2018/08/08

  • 作例・レビュー

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Piece「In WonderLand トランプ兵」

 

トランプ兵といってもアメリカ大統領の私兵ではありません。先日開催された「ワンダーフェスティバル2018夏」会場で購入してきたキットです。現在ファーベルでは取り扱いの無い製品なのですが、面白いプラモデルだったのでこの場を使って紹介してみます。

 

(※一般流通開始されました!こちらからどうぞ

 

当日会場で販売していたディーラーさんは「Piece」様で、こちらが公式サイトになります。不思議の国のアリスをモチーフとした造形作品「In Wonder Land」シリーズの他、オリジナルや版権物など、ギャラリーには豊富な作品群が掲示されています。

 

 

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パッケージは表裏両面とも、一般流通する製品と比べてまったく遜色ないデザインになっています。側面にはバーコードも印刷されていて、このまま流通に乗せられるレベルの製品。ワンフェスの一般ディーラーブースには、たまにこういう物が存在して驚かされます。

こちらは元々レジンキットとして造形されたフィギュアを、インジェクションプラスチックモデルとしたもの。またキット化にあたっては、以前よりワンフェスなどでインジェクションキットを開発販売してきたPINKTANK様が協力されています。

 

 

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開封すると上品な金色で成形されたプラスチックパーツが姿を現します。こちらはAランナーでトランプカードの胴体や甲冑を模した形状の頭部などが配置されています。

 

 

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手足などのパーツを配したBランナー。これらのパーツは左右で同一形状であり、

 

 

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Bランナー2枚で左右の手足や胴体の側面パーツなどを構成します。このようになるべく共通化できるものは共通化して全体の工数を抑えるというのは、インジェクションプラスチックモデルの設計では一般的な方法なのです。ひとつの製品を製造するためにはAランナーの金型に1回の注型をするたびにBランナーは2度の注型が必要となりますが、強度と耐久性に優れた金型の場合は特に問題ありません。この点、レジンキットのシリコン型の場合はまた違う配慮が必要なのでしょうね。

 

 

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スペードのデカールが付属します。マークは大小あり、1から0までの数字とAJQKのアルファベットと共にお好きなカードを製作できます。「不思議の国のアリス」の物語に従えば、あまり強い札にはしない方がいいのかな?クイーンは兵隊ではなかったわけですし。

トランプの柄を変えれば4種類のバリエーションを展開できそうですが、そういうことはやられるんでしょうかしら?

 

 

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ひとくちに「トランプ兵」といっても様々なイメージがありましょうが、本製品はいわゆるスチームパンク調のデザインがなされていて、スチームパンクの代表的なモチーフである「歯車」をアレンジした形状のパーツが随所に見られます。

 

 

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比べるものでもないのかも知れませんが、東欧系メーカーの簡易インジェクションキットよりも遥かに高品質な内容のプラモデルがここには在ります。ワンダーフェスティバルの一般ディーラーゾーンで多くの割合を占める高価格で販売個数の限られたレジンキットよりも、ずっとリーズナブルで量産も可能です。買ってそのまま組まずにコレクションに積まれていくアイテムも多い中、組み立てのハードルは低いものかと。

 

 

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パーツによってはアンダーゲート処理になっているものもあります。これは金型を製作したPINKTANK製品でも見られるもので、金型加工精度の高さを示す良い例ですね。

 

 

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では組み立てて行きます。腕のパーツ、拳の部分を組んでしまってから撮影してますが拳自体は4パーツ構成。左右ともパーツ形状は同一なのですが、親指の取り付け位置を変える形で対応します(剣を握らせて調整すると、それぞれの親指の取付角度がしっかり決まって良いです)。下腕は挟み込み構造で、手首・肘とも関節部分はボールジョイントになります。肘部分はかなり幅広く動きますが、保持力はやや弱めな印象。

 

 

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脚部も概ね腕部と同じような部品構成ながら、膝関節はボールではなく軸可動で、ここは保持力強めでしっかりとモデル全体を支えてくれます。細やかな配慮が行き届いた設計です。

 

 

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頭部は少ないパーツ数ながら形状・ディティールともに申し分なく、正面に合わせ目が来るのですがまったく目立ちません。パーツ精度のクォリティの高さと、ここにラインが存在しても違和感の無いデザインが当初から創られていることと、そういう様々な要素が反映されています。。

 

 

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ボディーは四角いフレームを組んでから前後のパネルを取り付けます。あとで気が付いたのですがこの画像、後面パネルの上下が逆でしたね失礼。突起のある方が上になります。

 

 

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「スマートフォンのプラモデル」のようにも見えますが安心してくださいトランプです(笑)。下側に向かってやや広がっていく形状で、この部分だけでも安定して立ちます。重心やバランス、そういうことの配慮でしょうか?側面にはパイプ(チューブ?)状のモールドがあって、間延びしないようまとめられています。背面の鍵穴は幾何学模様の中心でよいアクセントとなり、デザイン的な見どころの多い部分です。

 

 

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肩や胸元には甲冑パーツが付き、両腕両足を取り付ければ完成です。大腿部が湾曲した形状なのでポージングにはちょっとだけコツがいりますが、しっかりと自立します。手足のバランスにはなんとなくファイブスター物語のGTMみたいな印象を受けますが、それはあくまで個人の印象でありますハイ。

 

 

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背面から。鍵穴があるということは内部にメカニズムが存在するというわけで、パネルを外して中を作り込むようなアレンジも可能でしょう、というかワンフェスではそういう作例も展示されてたのですが。

 

やはり改造しやすいというのはプラモデルの大きな魅力です。ハセガワの主催しているジャンクプラントにはスチームパンク調の作品も沢山投稿されていて、いろいろ参考になります。

 

 

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剣は両手に構えることもできます。ポーズを決めて固定するのも悪くないかな。

 

 

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手元にあった適当な盾を持たせてみます。たしかこれダンボール戦記のパーツだけれどあまり違和感がありません。ディズニーのアニメだとトランプ兵は槍を持っているので、適当な槍を持たせてみるのも良いでしょう。

 

 

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これでデカールを貼れば組み上がりということになるのですが、これはちょっと塗装して仕上げたいのでいったんここでバラします。上手く出来たら記事に画像を追加します(笑)。

 

<8/17追記>

お盆の間にトランプ兵の塗装と仕上げをやっていたのでここから追加です。

 

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デカールはバランスを考慮して「4」を選びました。ちょっと中央によりすぎちゃったようで、本物のトランプをもっとよく見て貼ればよかったですね。大統領じゃなくてね。

バランスに関していえば、マスキングテープなどでガイドを作るとそんなに難しいことではありません。これが「9」とかだとかなり大変になりますので、そういうときには(パッケージにあるように)大判のスペードマークを使った方が良いでしょう。どうしても多少のズレは出てきてしまうんですが、多少のズレが気にならなくなる良い方法があります。

 

多少のズレを気にしない、度量の大きな人間になることです。

 

簡単でしょ?

 

 

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そして公式でもやっていた中に歯車のパーツを配置するというのがウルトラカッチョよかったんで堂々と真似します。リスペクトであります!オマージュであります!(口をパクパクさせながら)

今回使用したのはスチームパンク小物用の金属パーツなんですが、最近はこういうものも色々ありますから、簡単にオリジナリティを産み出せるとは思います。

 

 

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背面のプレートを実際に胴体フレームにはめ込みながら作業すると、実にスムーズに配置できます。金属製のパーツを使った結果、バランスウェイトとして作用したようで素組みの時より安定性が増しました(逆に言えば、配分を間違えるとトップヘビーで立ちが悪くなる可能性もあるかな?)

 

 

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で、完成です。話が前後しますがカード面に白のスプレーを使ったほかはすべてクレオスのMr.メタルカラー筆塗り。古くさい手法かもしれませんが、昔から金属塗装はこれが好きなんですよん。

キット付属はスペードのデカールなんですが、他の柄にするのもそんなに難しいことでは無いかも知れません。文房具やスマートフォンのデコレーション用になにかありそうな気がします。あるいは「ジョーカー」とか、ともかくモデルの前面にこれだけのフラットな面があるというのは、いってみれば自由に使えるキャンバスのようなものです。応用効かせましょうYO!

 

 

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背面の菱形は…これは綺麗にマスキングするのが結構大変なので……使い込んでかすれた感じにしてみました。こういう「逃げ」を打ってるとなかなか世の中に勝てません。勝たなくてもいいじゃないか、平和な世の中なんだから(8月15日的言い訳)。

 

 

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完成すると当然中身は見えなくなってしまうので、ここをどうするかは悩みどころです。とりあえずクラッシュモデル風味にしてみましたが、開閉機構を設けたら面白いでしょうねえ。

 

 

<余談>

 

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ランナーの金色が綺麗だったので、ラッカーシンナー(※ラッカー塗料のうすめ液ではありません)に漬け込んで溶かして「金色のパテ」みたいなものを作ってみました。なかなか面白そうなモノにはなったんだけど、

 

……まったく使い道が思いつかないのです。

 

金継ぎとかやろうかな(やりようが無い)。