グッドスマイルカンパニー「1/60 MODEROID サベージ クロスボウ」キットレビュー

グッドスマイルカンパニー「1/60 MODEROID サベージ クロスボウ」キットレビュー

2018/10/12

  • 作例・レビュー

 

グッドスマイルカンパニー「1/60 MODEROID サベージ クロスボウ」

 

現在好評発売中、「フルメタル・パニック! Invisible Victory」の通称「ナムサク編」で相良宗介が搭乗した機体です。フルメタのAS(アームスレイブ)プラモデル市場はアオシマ・コトブキヤ・バンダイ三社鼎立というちょっと珍しい状況で、そこに後発で参入するに敢えて第二世代ASを選ぶというのは嬉しい驚きでありました。サベージいいよなサベージ。

 

 

 

これまで完成品トイはいくつかあったのですが、プラモデルになるのは初の快挙。フルメタシリーズ全体を通じて活躍する名機で、アニメでは第1期シリーズから登場し原作小説では「アナザー」の時代にも後継機が登場する、アームスレイブを象徴するかのような存在です。フルメタ世界のソ連すごい。

 

 

 

箱はいわゆるキャラメル箱かと思ったらこんなふうに開きます。ちょっとプラモデルでは見たことないパッケ―ジングで、一枚の用紙から切り出して容れ物としても使える裁断なんですね。紙のコストって結構かかるものですから世にキャラメル箱のプラモデルは多いですが荒れは作業に使えない。そこをうまく両立させる工夫でなるほどなあと……。(最近のエレールでたまに見るタイプだそうでなるほど)

 

 

パーツを順にみて行きますとこちらはAランナー。機体本体の主要パーツです。前腕部やくるぶしにあたるパーツは円筒状に1パーツ成形されています。

 

 

 

差し色部分となるBパーツ。多色成形・スナップフィットのイマドキのキャラクタープラモデルに標準的な仕様となっています。

 

 

 

内部フレーム・関節関係のCランナーです。本製品はポリキャップレス構造なのですが、フレーム部分も外装と同様のPS素材で、バンダイのKPS的なものは使われていません。

 

 

 

兵装関連はDランナーで独立しています。今後発売されるサベージのバリエーションではこの辺りを差し替えると思われます。一度型を起こしておけばいくらでもバリエーション展開が容易いのは量産機の強みで、第二世代ASのプラモデルをこれまでどこもやらなかったのは不思議って仕方ないだろ雑魚メカなんだから!

 

 

 

基本無塗装で仕上がるんですが頭部の微細な箇所にシールを使います。またクロスボウ特有の仕様として、各種スポンサーロゴがデカールで付属。グッドスマイルカンパニーはじめ実在する企業のロゴをそのまま使うのは「タイガー&バニー」でもやってましたね。とはいえ半分ぐらいはタイ語なんで、そもそも実在する企業なのかどうかよくわからない(笑)

 

 

 

MODEROIDはマジンカイザーやゴッドマーズのような大型・高額製品を出すようなイメージでしたので、この価格帯に参入してきたのもちょっとした驚きではありましたが、それがシンカリオンに繋がる線路だったんでしょうねえ。リーズナブルな価格でもパーツの精度は良好です。技術!

 

 

 

おとこのこはてっぽうが好きなのでランナーの中にてっぽうがあると拙者接写せずにはいられないのでござる。

 

 

 

さて組み立てですが行程の初っ端から頭部バルカン砲の砲口部分が別パーツになっててビビります。バルカン砲ってゆーな。アニメのロボにはよくある武装ですが、このサイズのガンプラ等でもあまり見られない処理。考えてみるとフルメタIV本編ではアーバレストもサベージも頭部バルカン砲をものすごく有効に使っていたので、ここに力が入ってるのは本編の記憶が甦っていい感じの設計配慮です。だからバルカン砲って言うなよ!14.5mm機関砲だよ!人に向けて撃つなよ!絶対撃つなよ!

 

 

 

そういうことができるのもサベージの頭部が丸まっちくてヌーボーとしてるからでしょうなあ。アーバレストのような、いかにもヒーロー然とした顔つきではなかなか出来ないことかも知れません。なお流石にパーツが極小サイズなので、機関銃口パーツC9は予備も用意されています。安心安全である。

 

 

 

胴体(上半身)部分は前後に割ったパーツの中にフレームを挟み込む設計。肩関節部分は凝った作りですが下半身の受けはシンプルなものです。

 

 

 

タマゴ型……というかメタボリックなおっさんのような太鼓腹が出来上がります。最近風呂場で鏡の中にこういう人が居るんだけれど、あれはいったい誰なんだろう?ふしぎですねー。

 

 

 

先ほどの頭部とシンプルな作りで特に書くことも無い腰部を取り付けます。腰の部分にガスタービンエンジンの排気口があるのは第二世代ASならではで、小太りのロボがこっからガス吐き出して奮闘する様はまさに世のおじさんを代表するような格好良さである。きっと排気は臭いに違いない。

 

 

 

脚部はフレーム構造に外装をあわせていく構成です。くるぶしが1パーツだったり大腿部は合わせ目が目立たないような位置でパーツ分割されていたりと、素組みでも遜色ないような仕上がりを目指しているのは PLAMAX minimum factory などにも共通することで、いろいろ考えさせられますが、まー深く考えずにスパスパ組めるのはいーよな。

 

 

 

膝は二重関節で広く動きます。踵部分のいわゆる「アンクルサポートアーマー」や股関節部分の装甲も動いて、この脚はなかなか楽しい脚ですぞ。楽しい脚ってなんだろう。

 

 

 

腕のパーツ構成も基本的には脚と変わらないんですが、肩部分はやや組付けが大変なのでA1パーツの固定には接着剤を使った方が良さそうです。ハミ出しの無いようご注意と書いているのはちょっとやらかしちゃったことへのエクスキューズであります。

 

 

 

ちょっと膝を落としめに、やや猫背な感じで立たせるとまことにサベージらしくなります。小太りの胴体に反して貧相な手足。カエルのように ブサイク キュートなお顔。まさしく世に疲れたおじさんのようなロボで親近感湧くぞ~~~~。

 

 

 

「最近関節上がんないっすよー、特に左肩」などとホビーショーで会った人間に病気自慢するような大人にはなるまい。そんなふうに思っていた時期がぼくにもありました。でもね皆さん、「なりたい大人」になるよりは、「なりたくない大人」になる方が世の中ずっと簡単なんですよ?何の話してんだよ俺。可動範囲です。

 

 

 

股関節は左右にあんまり広がらないんですが、この体型だと自然に見えます。無理に広げると我が身に痛みを感じそうでツライ。

 

 

 

前後には良く広がります。だいじょうぶまだまだ行けますって!医者なんかいらねーですよ。という感じの(何だよ)

 

 

 

武装は37mmライフル・ボクサー散弾砲・HEATハンマー&ホルダーの三種類が付属します。

 

 

 

ロギノフBK-540 37mmライフルは東側ASに標準的な武装です。見ての通りAK突撃銃をモチーフにしたデザイン。キットパーツはストックが可動して取り回しも容易い。

 

 

 

オットー・メララ「ボクサー」57mm散弾砲は相良宗介が愛用する武装で、本編でも敵の機体から奪う形で使用されました。こちらのパーツはストック固定でやや見劣りするんですが、考えてみればボクサーはコトブキヤバンダイからも同じスケールで出ているので、そっちを持ってくる手もありますね。

 

 

 

HEATハンマーはホルダーに4つセットするかたちですが、取り外して手持ちできるのは一本だけです。このHEATハンマー、もっとデカい大金槌のようなイメージがあったので「IV」版のこれには正直拍子抜けしたんですが、原作の描写はこれが正しくてむしろあんなデカいものでは無かったらしい、だいたいス〇ロボが悪い、らしい……。要は対戦車ダガーに相当する近接戦闘兵器なので、自動車の緊急脱出ハンマーのようなかたちと大きさなんです。

 

 

 

全身にハードポイントが存在するので自由な位置に兵装を取り付け可能です。今後のバリエーションにはそれぞれ違った兵装が付属しますから、「全部載せ」みたいな遊びも出来るでしょう。ただこのクロスボウに関しては武器の持ち手が簡単にポロリしちゃうので、いささか持ち替えにストレスを感じたことも事実。

 

 

 

コトブキヤのM.S.G.パンツァーファウストを持たせたら似合う!のだけれどやっぱり手が外れたりバランス崩したりでなかなかポーズが決まりません。あと上腕部分(の回転)が緩いのは結構な弱点で、普段あまり気にしないけどこの位置の関節は大事なのだなと再認識させられる……

 

 

 

さてクロスボウ名物全身のデカール貼ります。ナムサク編の闘技場で戦うASには、モータースポーツのように様々な企業スポンサーが付き、クロスボウことアルII世が勝ち上がっていくとだんだんスポンサーが増えて行く……という描写は良かったですな。それが出来るのもイマドキの3DCG作画アニメだったからで、今後たとえばサイバーフォーミュラみたいな作品があれば、同じようなことができそうです。

 

 

 

クロスボウはグッスマ関連でまとめらているようですが、他の機体にも様々な企業のロゴがあるのが面白くて特にいかにもワルモノな機体に目立つような配置でアオシマロゴがあったのはわかってるジャン!とゆーその、なんだ……

 

さて全身デカール貼ったのでこれで武装すれば「フルメタル・パニック!IV」7話でガーンズバックと渡り合った名シーンを再現!とか思うじゃん?7話見直すじゃん?

 

7話の戦闘シーンではスポンサーロゴ貼ってないじゃん?

 

 

 

ちょっと駐機姿勢を取りますね。決して落ち込んでいるわけではありません。

 

 

 

すっかり忘れてましたが全身各所のハードポイントには、そこを使わない時のための「蓋」が存在します。いちおうこれもはめ込み式で取り外しは自由なんですが、一度はめると二度と取り外したくないし外すとたぶん無くす大きさなので、使用には注意してください。

 

 

 

形状は問題無し、関節保持力にやや難という感じではありますがその弱さもサベージらしさの魅力の内と言ったら過剰かな?フルメタIVは特にナムサク編に製作のリソースが随分割かれていたようでサベージはじめ第二世代ASが大活躍でした。M6ブッシュネルなんかプラモでほしいところですが、さすがにそれを望むのは難しかろう……

 

そしてやっぱり、「装甲騎兵ボトムズ」は偉大なアニメーションですね!