ウォルターソンズジャパン「モデルキット999 1/72 ロシア軍重戦車KV-2」レビュー

ウォルターソンズジャパン「モデルキット999 1/72 ロシア軍重戦車KV-2」レビュー

2019/07/26

  • 作例・レビュー

 

ウォルターソンズジャパン「モデルキット999 1/72 ロシア軍重戦車KV-2」

 

1/72の統一スケール、999円(税抜き)の統一価格で陸物・空物プラモデルを展開する「モデルキット999」からKV-2を組んでみました。ミニスケールAFVや1/72大戦機プラモデルにも高騰化・精密化の波が押し寄せる昨今に、あえて挑戦するような存在といえましょうか。

 

 

 

Aランナーは車体上面や砲塔の小パーツから成ります。パーツはこのスケールにあった一体化・省略が進められていますが、ソ連の戦車だとあんまり違和感が無いのはいいところだな(笑)

 

 

 

Bランナーは足回り。このあたりもシンプルな構成で、なにしろ元がシンプルな構成だからこれで良いのです。現用だとまた違ってくるかもしれませんが、シンプル且つ低価格なコンセプトというものがまずは第一。

 

 

 

砲塔や車体下部にはスライド金型を用いています。サスアームのディティールなんて綺麗なもので、設計や製造過程においては十分なリソースが投入されている模様。そしてこのシリーズの売りのひとつは成形色で、このKV-2の主要ランナーは第二次大戦ロシア戦車塗装色のひとつである4BOグリーンをイメージしたプラスチックで成形されています。塗装しなくても実車の雰囲気を再現するスタイル。

 

 

 

キャタピラはベルト式、PVCパーツとなっていますがゴムっぽい香りがしてちょっと懐かしいイメージ(笑)フィギュアも同様の素材でパーツ化されています。最近ではミニスケールAFVでもキャタピラにいろいろ新機軸を取り入れているメーカーがある中でクラシカルな内容ですが、シンプル且つ低価格というのはここでも優先されるものでしょう。

 

 

 

デカールも砲塔スローガンのみのシンプルな内容で、よく見ると完成品の「フォースオブヴァラー」シリーズと共用のデザインになっています。組み立て説明書はモノクロですが、こちらの紙質やデザインが非常に良いものだったので驚きました。もう少し高価なキットでも説明書はペラペラの紙なんてのはよくある話で、でも昔から良いプラモデルは説明書がしっかりしていたものですね。シンプル且つ低価格でも、押さえるべきところにはしっかり力を入れているというわけで。

 

 

 

砲身もスライド金型でマズル部分は開口されています。やっぱ大砲はこうでないとね!

 

 

それで組立て前に「アキバ総研」様のこちらの記事を読んできました。なかなか含蓄に富んだ内容で、モデルキット999のシリーズに興味のある方ならば必読でしょう。ウォルターソンズジャパン代表榊原直人氏の「弊社としては、プラモデルについてステップアップしていただくことを主眼に置いてはおりません。」との発言には大変驚きましたが、同時にそれもそうだよな…と納得するところもありです。プラモデルというのは決して誰もが最強を目指す世界ではありませんし、楽しみ方というのもまた人それぞれ。そしてそれはもちろん、「上達する楽しみ」を否定するわけでもありません。

 

一般的にこのクラスの製品は模型雑誌があまり取り上げないのですが、みんながみんな雑誌に乗るような作品を作らねばならないという、そんな義務は最初っから無いのですね。とはいえ、あらためて言葉にするにはそれなりに覚悟のいることかとも思われます。覚悟が出来たらみなさん好きに作りましょー、プラモデルなんですから。シン・ゴジラ風に言えば「私は好きにした、君らも好きにしろ」だな。

 

 

 

というわけで俺は好きに作るぞジョジョー!!その昔モデルグラフィックス誌で見た「転輪なんてランナーに繋げたまま接着すればいいジャン!」というのを久しぶりにやってみました。楽!!!

 

 

 

接着剤が乾く間に車体をやっつけます。近年の中華系キットで見られる「スナップフィットにしたら却って大変」なのとは違って、接着剤を用いてしっかりきっちり組み立てていく。パーツの合いも良好でおお、まるでプラモデルのようだ。

 

プラモデルだ。

 

 

 

砲身基部にはポリパーツが入りますが、ここはかなり小さいんでゲートを残したままはめ込んで後に切除、というふうに進めると楽です。大スケールのキットで手すりパーツの加工などに用いる手法。

 

 

 

砲塔はハッチ開放がデフォルトになります。側面の手すりは流石に成形の限界ですが、気にしないままズンズン進めたほうが気持ちがいいぞ(個人の快楽です)。

 

 

 

車体下部の組み立ても完了。後方の起動輪はキャタピラ取り付けとの兼ね合いから、未接着にしておいた方がベターですわよ。

 

 

 

 

キャタピラとフィギュアの組み立てには瞬間接着剤を使います。ちなみに最近はもっぱらセメダインの3000ハイスピードというのを愛用してます。使いやすくていいですよこれ。

 

 

 

フィギュアなんですが腕パーツの接続がイモ付けではなく、凸部と差し込み穴でしっかり位置も角度も決められるものでした。しかし組んだ後の画像ではわかりませんッ><

 

 

 

キャタピラはちょいと短めではめ込むには力がいりますが、力の有る方なら楽勝でしょう。力の無い方は身体を鍛えるか、あるいは未知の存在と取り返しのつかないタイプの契約を結んでください。

 

 

 

というわけであっという間に組み立てられます。慣れれば30分で組めるとかで、余った時間を有意義に使うそれこそがファンポーター精神!(会社違います)

 

 

 

先にクラシカルな構成だと書きましたが、組み立て過程もちょっと懐かしい感じがしますね。ちょうどいま時分の夏休み、友達と集まってワイワイやりながら近所の文房具屋でプラモ買って、そのままみんなでワイワイ作り上げた懐かしい記憶が……

 

ごめんそんな記憶なかった(´・ω・`)

 

しかしなんですな、プラモデルという趣味のかなりプリミティブな部分を刺激されます。そういうものです。

 

 

 

1/72の戦車模型というのは手のひらサイズですけれど、KV-2はその巨大な砲塔から異常に押し出しが強い戦車でして、このシリーズを一個組んでみようという向きにはぴったりかもです。

 

 

 

成形色ベースでウェザリングしてもいいんですが、今回はキットのコンセプトに敬意を表して無塗装のままデカールを貼っています。有名なスローガンで意味は、意味は……

 

 

「30ナブオ!」

 

です。(違います)FF外からご親切な指摘をいただきましたが正しくは「スターリンのために!」でした。でもどうして第二次世界大戦のロシア戦車が日本のパンクバンドのために戦っていたんだろう?そんなに遠藤ミチロウが好きだったんだろうか??ボブは訝しんだ。

 

 

 

だいたいそこそこ色が塗れるようになると、むしろフィギュアはめんどくせーで使わなくなっちゃう人も多いんでしょうが(かくいう私がそうである)、人間あっての機械・人間あっての戦争だもんなーと、そんなことも考えさせられるプラモデルである。夏だし。

 

誰もが名人を目指すわけでもないし、誰もが名人になれるわけでもない。そういう事実にもちゃんと目を向けないといけませんね。そんなことも考えますが、それでも名人を目指す人、名人になるべき人もあるでしょう。そんな方々はまず中島敦の「名人伝」を読んでみてはどうでしょうか?夏休みの読書感想文にはぴったりですよ。

 

このシリーズ次回作では自衛隊の10式戦車、16式機動戦闘車などが予定されています。特に古参ののマニアではなくライト層をターゲットにするならば、一般メディアに露出の多い現用車両は向いているのかも知れません。今後の展開にもいろいろ期待したいところです。

 

 

 

 

 

極めて個人的には脚を生やしたいものですが。