白血病とリンパ腫はともに白血病細胞が増殖し、正常な免疫系を妨げる種類のがんである。しかし、その症状や診断方法などには異なる点がある。
まず、白血病は血液細胞ががん化する病気で、リンパ腫はリンパ系組織ががん化する病気である。これは、白血病は骨髄に由来するため、血液検査でグループ化されることが多い。それに対して、リンパ腫はリンパ節、脾臓、あるいは他のリンパ組織で生じ、それらがん化した細胞は血液中で浸透していないため、血液検査で見つかることはまれである。
次に、二つのがん細胞が異なる点がある。白血病細胞は造血幹細胞から発生し、初期段階で骨髄に定着する。そして、白血病細胞は嫌気的な細胞であるため、周囲の健康な細胞と同等に栄養を使わず生き続けることができる。それに対して、リンパ腫細胞は免疫力が低下したときにリンパ節に蓄積することが多く、細胞内で栄養素を消費し、成長する必要がある。
最後に、治療法も異なる。白血病は抗がん剤、放射線療法、骨髄移植など選択肢が多い。一方、リンパ腫は放射線療法が一般的で、ステロイド薬などの抗炎症剤も使用する場合がある。また、最近では、細胞免疫療法もリンパ腫の治療に有効であることが示されている。
白血病とリンパ腫は、がん細胞が増殖して正常な免疫系を妨げる病気であるが、その起こり方、細胞の性質、そして治療方法などには異なる点がある。正しい診断と治療を行うために、これらの点は理解しておくことが重要である。