IBG「1/72 日・八九式中戦車甲初期型」

IBG「1/72 日・八九式中戦車甲初期型」

2017/04/14

  • 作例・レビュー

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IBG「1/72 日・八九式中戦車甲初期型」

ブログを使って簡単に組み立てられる海外メーカーの輸入キットを紹介して行こうかな、という企画です。今回作ってみたのはIBGの1/72スケール八九式中戦車甲初期型。国産初の量産型戦車「イ号」の開発当初のスタイルを、手ごろなサイズのミニスケールで、そして出来栄えはラージモデルに決して負けないグレードでの製品化です。

 

ポーランドの模型メーカーIBG社は以前より1/35・1/72スケールでかなり渋めの陸物アイテムをリリースしていました。特に1/72のベッドフォードやシボレーなどトラックのラインナップは豊富です。最近はソフトスキンだけでなくAFVにも展開を広げ、ハンガリー軍のトルディ軽戦車などこれまた渋めを突いていたのですが、初の日本陸軍アイテムとして八九式中戦車を発表。日本市場でも一躍注目を集めるメーカーとなりしました。

しかし日本以外の市場では「なんで八九式?」とか思われてるんだろうか。日本市場で「なんでトルディ?」なんて思われてたみたいに(^^;

 

 

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ではパーツを見て行こうと思います。先に甲型後期・乙型がリリースされて本製品はそこから一部パーツが差し変わったバリエーション製品ですね。くの字型に折れ曲がった車体前面装甲と「トルコ帽型」視察装置を備えているのが特徴です。パーツリストではA,Bランナーが欠番、Cランナーから始まる構成です。ここは甲型初期の専用パーツですね。

 

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Dランナーは車体下部。こちらは乙型などと共通パーツのようです。

 

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Eランナーはキャタピラなど足回り関係、この辺も甲乙共通です。甲型初期車体では「おむすび」のような形状のいわゆる旧型履帯を履いた例もありますが、こちらの新型履帯を装着した状態もポピュラーなものです。

 

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Fランナーはサイドスカート(って言わないねえあんまり)や一部キャタピラなど。

 

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砲塔部分はGランナーです。側面のストロボスコープも綺麗にモールドされています。

 

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車長の半身と立ちポーズの戦車兵の2体のフィギュアが標準装備。

 

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デカールとエッチングです。ボックスアートにもあるように海軍陸戦隊所属車両の他「れいき」」などが作れます。デカール自体は5アイテム共通のもの。あと2つ出る予定がある、と。

 

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大昔は海外メーカーの1/72戦車プラモというと蓋を開けた瞬間こころがドロドロ溶けるようなものもたしかに存在したのですが、IBGの八九式は車体上部をスライド金型で一体成型するすばらしい設計に美しいディティール、モールドが施されています。

 

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1/72ではしばしばボトルネックとなるキャタピラ部分も繊細な出来。

 

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上部転輪や主砲砲身パーツにもスライド金型仕様で綺麗な断面に綺麗なモールドが出ます。こういうところに気の使い方が見て取れるプラモデルはいいですねえ(うっとり)

 

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フィギュアもくっきりはっきり綺麗な彫刻です。まれに海外キットでは火事場から発見されたお地蔵さまのようなものがあったりなかったりしますが、特に立像は1パーツながら存在感のある、力強いフィギュア。

 

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このキットの1番のチャームポイントは、海軍陸戦隊の錨章と陸軍戦車部隊の星章をパネルごと差し替えで表現しているところでしょうか。実車とはことなる分割ではありますが、なんかカワイイんですよこの部分。

 

 

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海軍陸戦隊使用を選んでみました。パーツの合いは良好ですが、ゲートがやや太め(というかパーツが小さいのですが)なので切り出しには注意を払ってください。勢いでやるとあとで恥ずかしいぞ(恥)

ところで日本陸軍が海外輸入を蹴って戦車の国産化を選択し、しかし設計的には試製一号戦車ではなく試験に敗れたヴイッカーズMk.C戦車を大部分の参考にして生まれたのが八九式中戦車(当初は軽戦車)なんですが、この初期型車体の「くちばし」みたいな前面装甲のラインはイギリスの試作戦車「リトル・ウィリー」にそっくりですね。実に紅茶の香りがする戦車だ。

 

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上部転輪や前後の起動輪/誘導輪の取り付けはかなり微妙なところがあるので、この辺あんまり急がず慎重に進めたほうが良いです。ただ、進める時は一気に進めてキャタピラもセットで組み付けた方が調整は楽でしょう、ええ。

 

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「キャタピラは明日の晩でいーや」などと一日開けると翌日大変苦労します。緩急は大事ですよ大事。前後の履帯分割部分は取説の指示に従った枚数でやったんですが、なぜか4ピースも余る。この辺も調整が必要だったなーと、いまはちょっと反省している…

 

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ちなみにフェンダーは乙型の後方に延長された形状のままなので、気になる方は加工してください。伸ばすより短くする方がずっと簡単ですから、まず乙型を出したのはたぶん良い選択なのでしょう。

 

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初期型の特徴と言えばやっぱりこのお茶目な前照灯です。まるでカニの目のようでここから光線出します(出しません)。実車では上下左右に可動と凝った作りで、この辺も「リトル・ウィリー」風な感じがするなあ。

 

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砲塔その他を儀装して完成です。マフラーガードの金網はエッチングとプラパーツの選択式だったので、迷うことなくプラパーツを選んだ。我々は地球を征服するために宇宙からわざわざ戦車でやって来たプラチク星人の末裔なのだ。

 

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上海特別陸戦隊が使用した八九式中戦車では、尾橇など車体後部の装備が未装着の例もるので、その辺を作ってみても面白いかなーと、思います。塗装についてはボックスアートにもあるように「軍艦色」で塗られたイラストをよく見ますけれど、どうも実際にはカーキあるいは緑系の塗装だったようです。でも軍艦色の日本戦車って格好いいんで、捨てがたい魅力があります……

八九式中戦車の資料としては吉川和篤先生による「八九式中戦車写真集」イカロス出版刊行がとても良い内容です。昭和8年、陸軍大演習で栃木県佐野市内を走行中の八九式中戦車の写真とか載ってます。

 

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ミニスケールだからこそ、フィギュアを配した方が実際のサイズ感が解って良いですね。これまでミニスケールAFVモデルってあまりフィギュアには力を入れてないような観があったので、IBGのこの姿勢は大変評価されるものだと思われます。現在は八九式にくわえて九四式軽装甲車もリリースされ、日本軍アイテムには今後も注力していく模様。日本戦車ファンには無視できないメーカーとなりそうです。

 

このIBGの八九式をもとに、プラッツからはガルパン版もリリースされます。そっちも楽しみ^^

 

…1/35でも出せないはずはないんですけどねーと西の方を見る(チラッチラッ

 

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中国大陸の風土をイメージした「唐草模様」の台座で、これは中国大陸の風土をイメージしたディラマであると主張するためにこのキットを選んでみたのですが

 

ごめん俺が悪かった (´・ω:;.:…