スペシャルホビー「1/72 ロケット A4b (有人版)」

スペシャルホビー「1/72 ロケット A4b (有人版)」

2017/04/24

  • 作例・レビュー

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スペシャルホビー「1/72 ロケット A4b (有人版)」

 

チェコ(チェコスロヴァキア)というのは不思議な国で、ヨーロッパの1国、決して大国とはいえない規模の国家でありながら、世界でも屈指の模型大国であります。とりわけ飛行機模型ではそれが顕著で、聞いたことも無いようなマイナーな機体がいくつもキット化されていて、それこそ日本人も知らないような日本の飛行機が、ひょいとプラモデルになってたりする。今回紹介するのはドイツの試作ロケットですが、この機体の存在もこのプラモデルで知ったというひとは多いのではないでしょうか。

 

存在?ん~、まあいいか。

 

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中身はいわゆる簡易インジェクション、金型ではなく樹脂型と金属枠で注型されたものです。最近では簡易金型の技術も向上して一般のプラモデルと遜色のない製品も出て来ていますが、いかんせんこれは古い製品なので、出来の方もそれなりのもの。ある程度技術のある方は、あるいはある程度割り切りのあるひとにオススメするもの。

 

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ランナーは3枚構成ですが、1枚を割って2つにしているので、実質的には成形品は2枚入りです。パーティングラインはけっこうキツめに入ってますね。パーツの表面は梨地というか通常の金型のような研磨がされてない故のザラザラしたものとなってます。そういうもんですハイ。

 

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デカールのカギ十字は見えざる力によって分割され、キャノピーはバキュームフォームで2つ入りのひとにやさしい構成です。

 

 

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スペシャルホビーは1/72スケールでA4ロケット(いわゆるV2号弾道ミサイル)をキット化、バリエーション展開も行っているのですが、本製品は見ての通りに翼と操縦席を追加した、有人滑空爆弾のプラン。他にも多段式の(トップ部分だけをキット化した)A9とかありましたな。モデルグラフィックス誌でドイツ軍超兵器特集とかやってた時代だ……

 

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主翼部分のパーツ形状やディティールを直視すると何もかも投げ出して動物園のペンギンを見に行きたくなるのですが、まあ東武動物公園も激混みとのことですし、ここはガマンガマン。

 

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組み立ては一般の飛行機模型のようにまずコックピットを組みたて、それを機体部分で挟み込むような流れになっています。

 

が。

 

それでは絶対に組み上がりません。あらゆるパーツは現物合わせで組み付け位置を探していかないとまるでカタチになりません。こういうプラモデルを作る際には仮組みがとても大事になります。稀にパーツガイドのようなものが発見されますがそれらはすべて罠なので、信じるべきは己自身の目と指です。

 

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ここだ!と決まったらそこから絶対逃げられないようもー盛大にセメント使ってがっちり接着しちゃって二度と離さないぞらぶみーらぶゆーぐらいの!時には勢いも大事だ!!

 

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尾翼というか安定翼には一部切り取って補助翼を追加する指示があります。ここはかなりの曲者で、元からあるディティールを頼りにケガいて行くと、表裏でディティール位置がハゲしくズレている……

思うに、パーツを追加したあとにいったん埋めて、スジボリし直すぐらいの流れでやった方がよいかと思われます。あと推力偏向板が「板」どころの話じゃない痛さなので、ここは自作した方がいいんじゃないかナー。

 

ところがもっと痛いことがあってですね。

 

 

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取説通りに組み上げたらノズルがないの。古い簡易インジェクションキットだしまあこんなもんかなあ。

 

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主翼とキャノピーを取り付けて、このがらんどうの機体もナチスドイツ計画機の空虚さを現わすものなのだろうかとテツガクテキタンデキに耽っていると……

 

あったんですよ。

 

 

ノズルが。

 

 

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これがエンジンノズルのパーツだった。わたしゃてっきりプリンか何かだと思ってましたよ思ってませんでしたよどっちなんだよ。

 

 

そしてこのパーツ、取説に取り付け指示は

 

 

ない(´・ω・`)

 

 

ヽ(`Д´)ノ

 

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結局無理矢理ネジ込んだけれどなんかりーぶみーあろーんという感じです……

 

チェコのモデラーではこれが普通なんだろうか。ひょっとしてチェコというところは北斗の拳の「修羅の国」みたいなところで、凄腕じゃないモデラーはそもそも生息していないのかも知れない(ゴクリ)

 

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発射台部分は本体よりもよっぽどパーツが多く、本体よりもよっぽどパーツが細かく、本体よりもよっぽどパーツの取り付け位置が不明というヘレン・ケラーの三重苦みたいな目に遭います。組み上がったら本体を載せてみようとセットした瞬間ふと気が付く。

 

(これアカンやつでは)

 

危ないところだった。マトモには立ちそうもないぞこれは……

 

 

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なんだかんだで一応は組み上がります。有人弾道ミサイルということでインパクトはある機体。こーゆーのを見るとすわ特攻か!などと思いがちですがそこはそれ、ドイツの科学は世界一ですからしてエンジンの燃焼が終了してパイロットの操縦により滑空コースに無事乗れば、パイロットは無事に脱出する計画でした。これはひとにやさしいミサイルなのです。

 

 

脱出したところで無事では済まないだろうと思われるかもしれませんが

 

 

そこは保証の対象外です。

 

戦争ってイヤですねぇ……

 

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特撮というか大昔のスぺオペ、レトロフューチャーな良さはありますので、そういうものとして作ってみるのもよいかも知れません。昔はこういうドイツの試作機・計画機のプラモデルが模型屋の棚を賑わした頃もありました。いまは陸物の計画戦車などもキット化されるご時世ですから、空物だって需要はあるはず。どこかで新規にやってくれないものでしょうか。自走式ライントホターなんて出してるところもあるのですし、ねえ?

 

いっそTAK○Mで35とか(伏字になってない)